おとなりさんの練習帳

思いを言葉にして伝える・考えを整理する練習帳です。こつこつ成長したい。

不安が取り除かれた日のこと(フィンランド話2)

おとなりです、こんにちは。
おうちおこもりが続くこんな時は、昔のことがよく思い出されます。
今回は、ネパール人のBちゃんとの話を書きたいと思います。ほっこりほこほこする思い出です。

前回書きましたが、私は学生時代に留学生としてフィンランドに住んでいたことがあります。
その時シェアメイトとして一緒に住んでいたのが、ネパール人のB。当時の私より5つほど年上のお姉さんでした。
Bは私が来ることを知らなかったらしく、初対面のときは共有スペースが全く片付けられておらず、インドの音楽がガンガンの大音量で流れていました。「仲良くできるだろうか…?!」と不安に思ったことを覚えています。
さて、大学では、友達作りに不安を感じていました。私が通う大学の留学生にアジア人は少なく、日本人は私一人。初期はイタリア人の女の子二人と一緒にいましたが、これが、当時の私にはショックで。
彼女たちの優先順位は、パーティーパーティーそしてパーティー。男の子と遊ぶ。買うのはパーティー用の服にカバン。
決して悪い子達ではなかったけれど、当時の私とは価値観が違いすぎて、疲れてしまいました。それは国籍によるものではなく、人としての価値観の違いだったと思います。
なんだか不安に思って泣きそうになる気持ち、経験したことありませんか。
当時の私にとっては、この初期の経験がそれでした。
「なんかもうやだ。だめだ。無理だ。うーーーーん。」
そんな気持ちを救ってくれたのがBでした。

ある夜、パーティーに出席するため会場までの行き方を調べていましたが、よくわからない。
家の中でなら有線LANでパソコンが繋がるけれど、持ち歩けるのは現地で購入したネットの使えない携帯電話のみ。
(当時はSIMフリースマホiPadも持っておらず、機器に疎いこともあり、今では信じられないくらい不便な生活を過ごしておりました…)
フィンランド語の地名も謎だし、バスも謎。
細かい不安が重なり、泣きそうな気持ちが膨らんでいきました。
そんな中、当時すでにフィンランドに5年ほど住んでいたBに頼ることにしました。隣の部屋をノックし、
「ねぇ、ごめんいま時間あるかな?パーティーがあるんだけど、行き方がよくわからなくて…」
「部屋に行くわ」
初めて私の部屋に入ったBは、会場までの行き方を調べてくれ、私はそれをデジカメで撮影しました。(このあたりにいかに機器に疎かったかが出てますよね。苦笑)
しかし大元の不安は「行き方」ではありませんでした。私は、Bにその時の悩みを拙い英語で話し始めました。
「今、イタリアの子たちといるんだけどね。価値観か違って。みんなパーティー好きなの。それ自体は全然いいんだけど、ただ、なんか疲れちゃって…」
Bは私を見て言います。
「あぁ、私の前のシェアメイトのスペイン人もそうだったわよ。パーティーガール!気にしなくてもね、そのうち気の合う人と一緒にいるようになる。大丈夫。」
その後、私はBといろいろな話をしました。
お互いの家族のことや、Bの今までのフィンランドでの暮らしのこと、恋愛のこと。果てはネパールの歴史のことまで。
Bはおちゃめで、イタズラっぽさたっぷりに話し、それはとても魅力的でした。
心が軽くなった私は、その後無事会場にたどり着き、パーティーで色々な子と話すことができました。
ですがこの日一番心に残ったのはBとの会話でした。

Bが私に言ってくれた通り、私は自然とイタリア人の女の子たちとは離れていきました。そしてその後、素敵な友達に出会い、仲を深めていくことになります。
ですが今に至るまで、私の心に残っているのは、圧倒的にBとの会話です。
それは、「国を越えても、こんなにも共通した感情を抱くのか」という感動が根底にあります。

そんな彼女から、このコロナの騒動の中、なんと3年ぶりにメッセージが届きました。
「やーーーっ、わーーーい!」
と叫んだ16日の木曜日。笑

大変なときには、本当に心に残る相手が浮かび上がるもの。
Bとは長らく連絡をとっていませんでしたが、今も大切な友人です。
まずは彼女に愛を込めて、返信したいと思います。でへへ!